Menopause更年期障害の症状と視点

1. 更年期障害の概略 2.更年期障害:骨盤の特異性
3.骨盤の特異性(一般向け) 4.骨盤の特異性(専門家向け)
5.更年期障害の症状と視点 6.当帰芍薬散の解析(更年期)
7.加味逍遙散の解析(更年期) 8.桂枝茯苓丸の解析
9.桃核承気湯の解析 10.通導散の解析
11.症状出現臓器と症状基盤臓器 12.リウマチと骨盤
13.当帰剤への視点 14.駆血剤への視点

まずはwikipediaでの更年期障害の症状がどの様なものであるのか?を確認します。
wikipekiaでの説明は「こちらをクリック」して頂き確認して頂ければと思います。

1.下腹部の違和感:一般的更年期障害症状

基本的に閉経をしていても微量の女性ホルモンが流れていると推測され、また生理が来ませんので下腹部は徐々に張っていくのが普通なことです。その下腹部の張りをどうにか弱めたいということならば駆血剤を使う以外ありません。ですから閉経をしたらから女性ホルモンがゼロになるということはないということです。微量のホルモンでも徐々に下腹部を張らせる力があります…その上に生理が来ないわけですから下腹部の張りは徐々に強くなっていくことが当然の経過と考えて良いと思います。

2.顔の火照り・ホットフラッシュ・頭痛:血管運動神経症状

閉経後にこのようなことが起きることは閉経したから女性ホルモンはゼロになるのではなく、微妙にホルモンは流れており、それにより下腹部の張りが強くなるのだと推測されます。骨盤部と頭部は意外に臓器の性格が近く、また下腹部と頭という位置ですと身体の上下になりますので下腹部の張りが影響を受けやすいのが上半身であり、頭部が一番強いように思われます。

下腹部と頭部の運動エネルギーの性格は似ていることに加えて身体の上下反対ですので、下腹部の張りは頭や肩・警部などの上部に症状を現すことが多い様に思われます。このときに留意して頂きたいことは症状がでている部分の病的な変化はなく、症状を起こしている部分が頭から遠い下腹部であるということです。

これから考えても臓器分割の医療の限界が見えて来ると思いますが、如何でしょうか? 身体の上下反対に症状がでることに関しては一般的な物理法則では当たり前のことです。それを医学が認識できいないのならば…今の医学は完成されていないことを表明しているようなものだと考えています。

2.動悸・目眩・不眠・抑うつ:精神神経症状

これは下腹部の張りとは別の場所の異変と考えて問題ないと思われます。
下腹部の張りで動悸や目眩はあり得ない症状です。このことからすれば下腹部の張りはあるのかも知れませんが左季肋部の脾臓の充血(胃熱)が加味されている様な状態だと思われます。この場合に駆血剤のみを使っても改善はされないと推測出来ます。
上記の様に下腹部の張りはあるのかも知れませんが、症状のイラつきに胃熱が併発している状況であると思われます。これを柴胡剤などを使うとより悪化しますので、診察には細心の注意が必要に思われます。この様な身体では下腹部の張りと胃熱が重なり動悸・目眩・不眠などが容易に起きやすくなります。

3.頭痛・下痢:消化器症状

漢方的に「血室」と呼ばれる臓器があります。この血室ですが色々な説がありますが、自分の臨床的な感覚では血室というのは肝臓だと感じています。それは下腹部の張りが強い女性に肝臓の鬱血があることが多いからです。メタボ的な身体でなく下腹部の張りがあり肝臓の鬱血があるということが妙に可笑しく思えます。下腹部がはり肝臓の鬱血がある状態は少なくありません。先人が「血室」と言ったことが凄いことなのでは?と思います。この様に肝臓の鬱血が入ると肝臓が腸からの栄養分を身体に入れなくなりますので下痢はしやすくなると思います。(肝臓は腸管からの栄養の吸収のコントロール・脾臓は腸管からの水分の吸収のコントロールをしている様です)また柴胡剤の適応となりますので肩が凝ったり頭痛などの症状が下腹部の充血だけではなく肝臓の鬱血からも起きることは簡単に推測できることになります。

4.排尿障害・頻尿:泌尿生殖器症状

これは下腹部の充血があることにより、身体はバランスを取ろうとして膀胱に水分を貯める様にして下腹部の充血を取ろうとすることに起因していると考えられます。身体はバランスを取ることで…肉体の生を長引かせることだけをしています。このため下腹部が充血すれば子宮前部にある膀胱に水分を貯めることにより充血の低下を狙い水分の移動をすることが原因の様に感じています。

実際の治療では駆血剤と共に頻尿を緩和させる漢方薬を使い経過が良好になったケースが多く、血の熱と共に水の配置による冷却をしたいがための身体の症状に他ならないと推測しています。

5.手の症状:朝の手の強ばり:運動器症状

リウマチの初期症状と言われる朝の手の強ばりであるモーニングステッフネスを考えてみます。実際、閉経後初期に朝の手の強ばりの症状で来院される方が少なくありません。
下腹部の張りによるホットフラッシュに代表される上部の頭部方向への症状は御理解して頂けたのかな?と思いますが、この手の症状は骨盤内充血により簡単に起きうる症状になります。

機序を説明する前に以下の簡単な身体の構造図をみてみましょう。まずは…この図で身体の単純性を元に書いてみた図になります。臓器部分の次元観念などは一般の方には無意味な部分ですので、その辺のことは気にならないで下さい。ただ上の図で一番みて頂きたい場所は骨盤部と前腕部より前の手の部分の関係です。この二つの部分のエネルギー性格が近いということです。

この部分に注目されて下さい。基本的に下腹部と手腕の部分は下腹部と同じようなエネルギー性格を持っているという点です。これは下腹部の充血を逃がす為に「手に下腹部の充血を逃がす」ことが起こりうることを示しています。リュウマチ初期に見られる「朝の手の強ばり」というのは生理現象を無視する訳にはいかないように感じます。リュウマチで免疫抑制剤が使われるということは他の臓器からの干渉を防ぐということを意味していますので、リュウマチの発症機序の根幹は手とは別の臓器に原因があることを物語っています。臨床をして感じるのはリウマチの根本原因は下腹部にある可能性が強い様に推測できます。

このことに関しては現代医学も理解して欲しい部分でもあります。人間は臓器別に生きている訳では無く全身が一体になって生きています。この基本原則を無視して医学を構築していくことはもはや無理で、臓器が遺伝子を変化させることが出来ると思われますので高額な遺伝子操作の薬剤も単に対症療法で終わるに違いありません、でも、その医療費には莫大なお金が必要です。製薬会社と医療関係者との癒着も生まれます。これから先は遺伝子を変えようとする薬は基本的に減ります。また臓器連絡が一般的概念になれば免疫抑制剤は一時症状を緩和する薬と使われ長期投与はなくなると思います。

そんなことを更年期障害という一つの病気を垣間見れば、医学の方向性を指摘しています。そんな身体の姿を見逃してはいけない様に感じています。

まとめ

更年期障害という起きやすい身体の変化を考察するだけで、これだけ多くのことを示唆できることを感じて頂けたらと思います。自分は漢方医学の考え方を現代医学に入れれば、非常に強い医学となり、世界を凌駕するような医学の中枢に日本はなれると思います。そのことを実際に毎日、感じながら診察をしていますが、粉薬はダメだとか…溜息が出るような診療も多いのが事実です。ご自分の身体を楽にできるならば粉薬でも苦くても関係ないと思いますが、死に直面しない人生を渡っている人達なのかも知れません。しかしながら漢方医学が現代医学に勝っているとかの思いはありません。それぞれの良さがあるため併合出来たら「凄い医学が出来上がるんだろうな」と単純に考えているだけです。

2024/07/08更新

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