Case症例

めまい:目眩


めまいは耳鼻科領域や脳神経領域の問題によることもあります。そのため検査は必要です。でも、純粋な内科領域の病気であることも多いことから内科的なめまい治療の説明です。耳鼻科での神経領域の目眩と内科的な目眩の比率は2:8程度で、平衡感覚を司る神経自体が障害を受けている場合に漢方治療をした場合には、体調が良くなることと目眩は少し弱くなる程度です。神経の障害がない場合は…ほぼ治癒して行きます。

めまいとは

めまいは目が回るようなくらくらとした感覚の総称になります。

医学的に言われている「めまいの原因」とは、視覚、平衡感覚と固有感覚の不統合によって感じる感覚と言われており、運動失調とは区別が必要な病気です。現代医学の考えとしては、「起きる場所によってのめまい分類」としては、 中枢神経や末梢神経に起因するとされる中枢性めまいや末梢性めまいなどに分けられます。また「めまいの症状からの分類」として、回転性めまい、浮動性めまい、たちくらみ、平衡障害などに分けて考えます。

ですから、めまいが続く場合には、まずはCTやMRIでの頭の精査や耳鼻科領域でのめまいの精査が必要なのは疑いのない事実です。まずは検査をしましょう!

めまいの検査で問題がなかったら

脳神経に腫瘍ができたなどの問題があるめまいならば外科的な対応になり、一般的に画像診断で問題がないめまいならば対症療法になってくるのが一般的です。

内科領域で出されるめまいの薬は、酸塩基平衡を整えるメリスロンや末梢神経の伝達力を改善するアデフォスやメチコバールなどが一般的です。もちろん、当院でも患者さんに投与する薬です。ただ、これらの薬だけでは治らないことが多いのも事実です。

実際の症状

パニック症候群とめまい

パニック症候群とのことで安定剤を投与されていた、めまいの患者さん。
でも、安定剤を飲んでいても、めまいが出るときは出ていたために、疑問があり、当院を受診されました。

そこで、自分なりの東洋医学的な診察をしていきます。分かったことは、下半身の力が抜けることで、上半身がのぼせる傾向にあること。熱によって脳が刺激され、めまいが起きても不思議ではありません。

そんな診断を元に治療をして行きます。不安になるときには安定剤を頓服で投与して、下腹部の力を上げて脾臓の部分の熱を取る漢方薬を併用しました。

すると、めまいの経過は良好となっていきました。1年経った今では、安定剤を使うことも無くなりました。めまいが起きることは滅多になくなったとのことです。

このように頭の病気でも身体が悪くてめまいが起きる事って多いんですよね。
もちろん…色々な目眩があり、それを東洋医学的に判断をする必要があります。

左の図のように、下半身の力が抜けています。
加えて、脾臓の熱が顕著です。こんな身体の状態はめまいを起こしやすい身体の一つです。この状態を持っている患者さんの顔は、火照って赤くなっているのが一般的です。

お酒の飲み過ぎとめまい

お酒を飲み過ぎていつも顔が火照ってしまっている人っていますよね。
こんな患者さんも、めまいが起きることが多い様です。同時に耳が「ボワ~」とするなどと訴える患者さんもいます。

一度は耳鼻科的な精査が必要ですが、の状態では「アデフォス」や「メリスロン」はあまり有効ではない様です。なぜなら、この様な場合は虚血による末梢循環障害ではなく鬱血による症状として、めまいが出ていることが多いからです。

左の図のように、お酒の熱が脾臓に蓄積されています。
この熱が頭に影響し、頭を鬱血させてめまいを起こします。この状態を持っている患者さんの顔は、火照って赤くなっているのが一般的です。

胃炎とめまい

胃の症状が出ることになしに、めまい症状が出ること自体が不思議かも知れませんが、実際はこの様なめまいも多いことが事実です。

実際に診察をしてみると心窩部に動悸などが触れます。すなわち胃弱です。
この様な簡単な機序による「めまい」と言っても歩ける「めまい」から、眼振を伴う「強いめまい」まで様々です。往診に行くほどの強いめまいを訴える患者さんから、外来に受診できる程の強くないめまいの患者さんもいます。

この様なめまいの原因が単に「胃が悪い」というのが一般の方には不思議かも知れませんね。この様な場合には熱と寒が混在している状況ですので、使う漢方薬も胃熱を取る漢方薬に胃の冷えを取る漢方薬を併用させることが多いものです。

左の図のように、胃熱と呼ばれる熱が脾臓に蓄積されています。
同時に心窩部の動悸が触れ「胃弱」と呼ばれる状況になっていることも多いのが事実です。この熱が 漢方で言う「上昇」により頭に影響しめまいを起こしている様なのです。

Check the case気になる症例をチェック

ページの先頭へ