花粉症は、数十年前には無かった病気で現代病という側面もあります。
冬から夏の身体への移り変わり目で現れる症状で、身体が汗の出やすい身体への変化していく過程で症状が出る現代病の一つです。
花粉症とは?
現代医学の考えとしては、花粉症(かふんしょう、英: hay fever、pollen allergy、pollen disease、医: pollinosis または pollenosis)とはI型アレルギー(いちがたアレルギー)に分類される疾患の一つ。植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な症候群のことである。枯草熱(こそうねつ)とも言われる。日本においては北海道の大半と沖縄を除いてスギ花粉が抗原となる場合が多い。(wikipediaより抜粋)
漢方医学の考え方としては、花粉が問題ではなく、花粉の反応する身体の問題と指摘できます。花粉というアレルゲンを得て身体が症状を起こすだけです。汗がでなければ鼻水として体外に出せばよい。身体の熱が貯まっていれば湿疹を伴うかゆみとして体外に出せば良い。この様に漢方医学では病気の必然性を考え、病気を敵視することがありません。花粉症に対する漢方治療を行えば、抗アレルギー剤で取れなかった症状が取れることも多くあり、病気を敵視し症状だけを和らげる医療だけでは限界に達していることを物語ります。
現代医学の花粉症治療
基本的には対症療法であり、根治治療ではないのが事実です。
減感作療法が根治治療に近いとされるものの、基本的に「アレルギーが悪である」という概念から抜け出せていないため、アレルギーが身体に取っての必要性という認識がないことが根本原因になります。別の言葉で言えば、病気治療へ対する十分条件だけをみたし必要十分条件を満たしておらず十分な治療とは言えない側面があります。
病気への必要条件を満たしていないことの意味は、病気への必然性を認めていないことになります。結果として、提供される医療は対症療法になってしまう、ということになります。結果としては薬を止めれば症状が出てくるということです。
1.抗アレルギー薬
第一、第二を含めて「症状を抑える」という対症的な治療効果であり、根治薬ではない。
2.ロイコトリエン拮抗薬
抗アレルギー剤と併用すると花粉症の症状は強く抑えることができる。
3.ステロイド薬
花粉症においては主に重症例に対する抗炎症作用を期待して用いられる。抗ヒスタミン薬の内服などでは充分な効果がない場合、副作用の心配があるので短期間または頓服として内服が行われる。症状を抑える効果が高いこともあり、漫然と処方を続ける医師も存在するが、副作用だけでなくステロイド離脱困難に陥ることがある。特に小児に長期投与を行うと成長障害など重大な副作用が起こり得る。
4.自律神経作用薬
鼻詰まりがひどい患者がステロイド点鼻を行うとき、薬剤が鼻腔内に入っていきやすいように、あらかじめ鼻粘膜を収縮させるために用いる場合がある。この種の薬剤は市販のほとんどの点鼻薬に含まれており、即効性と高い効果があるため、説明書の注意書きを守らずに乱用してしまいがちである。花粉症に使われる市販薬でいちばん問題になるのが、この点鼻薬の副作用である 。
(wikipediaより抜粋)
漢方医学の花粉症の視点と治療
1)花粉症病態の視点
花粉症を発症する人の身体では、両脇の部分の肝臓や脾臓の充血が認められます。この身体の現象が物語るものは表裏バランスが悪いからに他なりません。胸部と腹部は表裏関係があり、この関係が崩れれば両脇の部分に充血が起きることが考えられます。両脇の部分の充血は胸部と腹部のエネルギーのギャップがあることを物語ります。
2)根本治療の視点
現代医学だと、抗アレルギー剤やロイコトリエン拮抗薬を使います。この治療で強い症状は取れていきます。しかし、この様な治療は対症療法に過ぎません。根治を目指すならば両脇の熱を取ることが重要だと考えます。今から2000年前の漢方医学には同じ様な病態があり、治療薬があります。花粉症の治療は今の日本では出来上がっている訳です。但し、現代医学と漢方医学が統一出来ないでいます。そこが大きな問題の様に考えます。
火山とマグマとの関係:症状を出す臓器と症状を出さない根本原因の臓器の関係と同じです。噴火口はマグマの出口ですが、マグマが押し上がってこなければ、噴火はしません。こんな考え方が大切になってきます。症状をだす臓器(噴火口)と原因となる臓器(地中のマグマ)の関係です。
一般的な内科診療だけでなく、漢方内科も標榜していますと、多種多様な患者さんが来院されます。この患者さん方の身体を診ていくと、花粉症の原因は顔の臓器だけにあるものではないと考えざるをえません。首から下の胴体の部分に原因があって起こりうるものです。鼻腔粘膜や副鼻腔が強い炎症を持ってしまえば現代医学の強みもあるのですが。このため当院での花粉症治療は一般医療と漢方医療を併用して治療をすることが多くなります。漢方薬だけで症状が止まり、一般薬を飲まずに花粉症の症状が軽快することは多く認められます。