1. 更年期障害の概略 | 2.更年期障害:骨盤の特異性 |
3.骨盤の特異性(一般向け) | 4.骨盤の特異性(専門家向け) |
5.更年期障害の症状と視点 | 6.当帰芍薬散の解析(更年期) |
7.加味逍遙散の解析(更年期) | 8.桂枝茯苓丸の解析 |
9.桃核承気湯の解析 | 10.通導散の解析 |
11.症状出現臓器と症状基盤臓器 | 12.リウマチと骨盤 |
13.免疫抑制剤の意図 | 14.当帰剤への視点 |
15.駆血剤への視点 |
リウマチ治療に対しての免疫抑制剤の意図とは?
リウマチ治療において免疫抑制剤が良く使われます。この意図を知らずに単に投与している医師が多い様に感じます。症状の緩和は期待出来ますが…果たして免疫抑制剤を使用すると何故にリウマチが改善傾向に舏るのか?ということを考えて投与しているのか。そんな視点を持った医師は少ない様に感じます。そんなことから「免疫抑制剤で病気の寛解が何故生まれるのか?」ということを自分なりに考えて記事にします。
1.リウマチとは?
医学部の授業で教えられたこと程度しか自分には知識がありませんが、関節の滑膜に炎症を起こす作用が生まれ、それにより手の関節が変形すると教えられたことを覚えています。その後は関節の変形や痛みが起こり手の動作が自由に出来なくなります。これが代表的なリウマチの初期症状ではないか?と思います。リウマチの初期症状は「朝の手の強ばり:MorningStiffness」だと教えられました。
2.閉経後の朝の手の強ばり
この様な症状を訴えて来院される方は少なくありません。かかりつけの患者さんは直ぐに診察に来ますので…閉経後に朝の手の強ばりがあると訴えて受診されます。身体を拝見すると明らかに下腹部の張りが強いことが殆どです。これからすれば漢方医学では駆血剤の適応ですので、駆血剤の処方をします。すると…殆どの患者さんの朝の手の強ばりが無くなって行きます。
患者さんに説明していますが、閉経後も少量の女性ホルモンが流れており、かつ、生理がなく下腹部の張りが徐々に強まっていることが特徴としてあげられます。下腹部を触ると多くの患者さんの下腹部の張りは強くなっています。それならば漢方薬では下腹部の張りを取る駆血剤の適応です。
症状が出てから早い患者さんは数ヶ月も漢方薬での駆血剤を服用すれば…手の強ばりが無くなって行きます。そして治療から離れていきます。これが漢方臨床の現実なのです。
3.リウマチへの進んだ患者さんの手の痛み
大学病院で治療を受けていた子宮・卵巣摘出後の患者さんがリウマチ症状で来院されましたが、この患者さんの涙に早急に「更年期障害」の治療のことを公開しようと思いました。
不思議なことに卵巣や子宮を摘出しても下腹部の張りは出てきます。子宮・卵巣摘出後なので下腹部の張りは起きないというのが現代医学の常識なのですが…その様な現代医学の常識とはまるで無関係の様に下腹部が張っています。張っていなければ充血が強い下腹部をしています。現代医学的な視点から考えれば子宮・卵巣摘出後ならば下腹部の張りは無いはずです。その状態でも下腹部の張りが起きている訳で、身体は子宮・卵巣摘出後でも子宮・卵巣があった時を覚えているということになります。
その様な患者さんに駆血剤を基本とする漢方治療をしていくと手の腫れが治まって行きます。加えて治療数ヶ月後の血液検査でのCRP(炎症反応)やRF(リウマチ反応)などが改善していきます。これが何を意味するか?ということですが、このように手という臓器の症状が、他の臓器によって起きていることを証明していることになります。その「他の臓器」は下腹部ということです。
4.免疫抑制剤が効く理由
何度も話していますが、身体は色々な臓器が集合した一つのシステムとして生を全うしています。このことからすれば…多臓器からの力による他の臓器の症状に対して「免疫抑制剤」を使用し症状の緩和を狙っています。別の言葉で言えば…免疫抑制剤というのは「臓器間の関連を切る薬」という表現でも良いと思います。他臓器からの力を排除して症状の緩和を狙っている薬ということは…漢方医学を知っていれば納得できる筈です。
確かに免疫抑制剤によって症状は軽くなるのが一般的ですが…人間の身体は他臓器が集まった一つのシステムですので、臓器連携を壊し身体を悪化させる危険性があることが事実であると思われます。これはリウマチだけでなく免疫抑制剤が頻用される甲状腺疾患も同じように他臓器からの欲求により代謝を変化させていると考えざるを得ません。
5.背景場理論(BackgroundFieldTheory)の意味合い
私の理論医学では、この様な現象を「背景場理論」と名付け、症状がでる当該場とその当該場に力をかける背景場の存在を意識するように理論形成をしています。人間が色々な場の集合として一つのシステムならば当然のことながら、この様な運動が起こることは明白です。ところが、現代医学は症状を出している臓器にしか視点を置いていません。これは現代医学が不完全な医学であることを示すものであり、加えて免疫抑制剤の医学的理論背景も不明確な状況で多用されています。この様なことは現代医学も変わらざるを得なくなっている状況となっています。
2024/11/10更新