Treatment一般内科治療

一般内科治療でできること

一般内科治療の長所は症状を取り去ることや検査の異常値を良くすることに力点が置かれています。このことから一般内科治療に適しているのは症状が強いとき、血液検査や他の検査で異常を見つけた時に早く異常をなくすことが出来る時に必要な治療です。

漢方医学と比較すると一般内科治療は対症療法的であり、また漢方医学は根治療法的な医学であることを指摘できます。このため急性症状の一つである脱水の時のことを考えてみます。この場合には漢方治療をするよりは一般内科治療の点滴により脱水の改善や急性症状を緩和させることが必然性な治療になります。

当院の一般内科治療は…

  • 急性症状の緩和には基本的に一般内科治療が優先されます
  • 漢方医学で対処不可能な場合には一般内科治療を積極的に行います
  • 一般内科の診察方法と漢方医学の診察方法で身体の状態を把握します

一般内科治療が優先される場合や積極的に行う場合

症状が強い急性症状の場合には一般内科治療を優先します。

一般内科治療は症状を取ることに関しては漢方治療の比ではありません。注射や点滴、また内服薬も症状を短期に取ることが出来ます。まずは急性症状を一般薬で緩和し、状態が落ちついて来て漢方治療の併用が良いと思われる時には漢方治療を併用し治療をしていきます。何故か?と言えば一般内科治療は基本的に対症療法であり根治療法ではなく症状が残りやすいからです。

漢方薬は一般内科治療に比べて病気の根源に迫っている医学と考えられます。しかしながら、漢方医学の聖典である「傷寒論」が完成されたのは今から2000年前になります。そのため物質文明も今ほど栄えてなく…古い医学というハンデがあります。

この意味において一般内科治療が優先されるべき時は躊躇無く一般内科治療を行います。一方では漢方治療も必要な時には併用して行く治療をしていきます。

一般内科治療でも漢方医学の診療を駆使します

一般内科での診察の方法では、病態が把握仕切れない部分があります。この様な場合には一般内科治療を前提にする場合にも漢方医学の診療方法を駆使します。

例えば…風邪の診察です。「傷寒論」によれば風邪には病期があります。初期・中期・後期と分けることが出来ます。しかしながら現代医学には、この様な観念がありません。風邪の初期症状と中盤症状には違いがあり、中盤症状に入ったことで「症状が重くなった」と来院される患者さんも多いのが実情です。しかし、これは病気の推移であって症状だけを見ていると悪化している印象から誤治療を起こしかねません。そのため具体的には患者さんをベットに寝かせて…臓器の充血が強い部分を把握を行います。風邪が中盤に入っていて別の風邪の症状が出ていても大きな問題ではありません。

このため一般内科治療でも全身を見つめる漢方医学の視点による診察を加え、患者さんの病態把握に努め、一番適している治療方法を選んでいくことになります。一般医療での精密検査が必要ならば近隣病院にて精密検査を行うことは、ごく当然のことです。

一般内科で対処不可能な場合の漢方併用治療

風邪の中盤、もしくは慢性病の場合には…このケースが当てはまります。

風邪の場合には「傷寒論」曰く病期の変化があります。太陽病(風邪の初期)→少陽病・陽明病(風邪の中盤症状)になります。少陽病は主に実質臓器に熱が貯まったことを意味しており、陽明病では管腔臓器への熱の蓄積によります。

風邪の初期では一般治療の方が有効であることが多い様です。葛根湯という処方の薬草構成から考えてみれば…風邪の初期には皮膚と腸のアンバランス性があります。この次には風邪の熱が実質臓器や管腔臓器へ移動していきます。殆どの場合には肝臓や脾臓などの実質臓器への熱の移行になります。

この様な状態になった時には、風邪をぶり返さないように一般薬を使いながら漢方薬を併用して風邪で熱が残っている場所の治療をしていくことが多くなります。

向精神薬投与や鎮痛剤投与に関して

■ 向精神薬投与について

当院は内科ですので、内科疾患の治療中に不眠や不安が現れる場合に、安全で効果が弱い抗不安薬や睡眠薬を投与しております。基本的には強い抗不安剤や睡眠薬を投与はしておりません。また睡眠薬のみの投与および向精神薬のみの投与は内科疾患ではありませんので、お断りする場合もあります。ご自分で投薬量を管理されている患者さんに関しては、その限りではありません。また処方日数を消費する前に来院する患者さんの向精神薬処方は、それ以降は行いません。

■ 鎮痛剤投与について

鎮痛剤を多く望む患者さんの場合も同様な対応をしております。風邪での一般薬治療や漢方治療時の一時的な腰痛や一時的な頭痛などの時に必要最低限の鎮痛剤投与を行っています。必要以上に鎮痛薬を求める患者さんには、その痛みの場所を専門に診る医療機関をご紹介することもあります。鎮痛薬にも向精神薬と同じ様に依存性があり、漫然と処方することにより症状の悪化に結びつくことがあるからです。

風邪の病期に関して

一般の方は風邪にかかったら、一度で治る様に医療機関に受診されます。風邪の初期には咽頭痛や鼻水が多く、咳や鼻水が少なめです。次の受診の時には「風邪が悪化した」と来院されます。これをどの様に考えたら良いかをお話します。

漢方医学を学んでいると「風邪の病期」というものがあります。
初期は「太陽病」で、中盤に入ると「陽明病」という病態に移っていきます。これは初期と中盤の症状が違うことに他なりません。

一般的に方は「風邪が悪くなりました」と来院されますが、初期から中盤に移って状況だけの場合が半数以上いらっしゃいます。初期には一般薬で対処しますが、中盤には一般薬だけでなく漢方薬を併用して治療をすると症状の軽減が早くなります。中盤に入ることは適切な治療をすれば治癒が近いことを意味しています。

風邪の症状に対して怖がらないことが重要に他なりません。

「すぎ内科クリニック」では、一般医療や漢方医療でのほぼ全てが保険診療です。
一部保険診療で認められていない治療(検診やインフルエンザワクチン接種など)に関しては自由診療です。
煎じ薬治療に関しては時間外の診療として認められる「予約診察料」として2,000円を頂いています。
ご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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